長めの記事なので目次をつけておきます。
はじめに
自分で食事を食べたがる子ども についての考察
まず子どもの状態を把握する
ご飯を散らしてしまうパターン別の原因と対策
良い見本は実物の必要はない。YouTubeの活用
深さと返しが重要な器。
はじめに
去年の7月に伊吹くんが生まれて、あれよあれよと一年と4ヶ月が経ちました。
ぼくらの出産は結構たいへんでした。
なっちゃんが出産直前で一ヶ月の入院、退院したと思ったらすぐに出産、通っていた助産院が全く頼りにならず、病院ともほとんどゼロからのコミュニケーションをとりながら、なにがなんだか分からない状態で出産。(伊吹くんが早く産まれてくれたのが何よりの救いでした。)
家ができたのが出産の半年前で、住んでる場所も知人や親戚はほぼいない。出産後のひと月はお互いの実家(ぼくは愛知、なっちゃんは鹿児島)から、親に交代で2週間ほど来てもらっての共同生活というところからの産後スタートでした。
落ち着くまでには3,4ヶ月くらい、つまり去年の11月ごろまでかかって、出産前と暮らし方が大きく変わった暮らしに飲み込まれていった感じ。今思えば、ぼくらは病院や助産院とのやり取りに精神的にかなり傷んでいて、家に人を呼んで催しをしようという方へはなかなか動き出せない、そんな時期だったなと思います。
そのあたりのことはまた詳細は別の投稿で。
さて、もともと子どもと遊んだり話したりするのが大好きなぼくは、「言語」で言葉や身体のことを深く考えられたことが大きく幸いして、息子の伊吹くんの変化を見るのが以前にもまして面白いです。
で、人の身体的な構造とか、精神の形成とか、そういう観点から子育てとか、子どもが育っていくのを見ていると、 育児について「よく言われること」にたいして、改めて「こういうことだったのかなるほどね」と思ったり、逆に「ん?これってそうでもないんじゃないの?」と思ったりします。
これ、一つのことに対してどっちか、というより「よく言われること」はよく言われるだけあってそのとおりな部分がやっぱりあります。だけど、じっくり子どもを見ていろいろ試していると、実はそれほどでもなかったね、と思ったり両面があるなーと思ってます。
自分で食事を食べたがる子ども についての考察
たとえば、伊吹くんは最近ちょうど食事を一人で食べるようになり、自分で食べたいときは口元にご飯を持っていっても首を振ったり、叩き落とします。
だから「子どもが自分でご飯を食べたがるようになると、ご飯を散らかしまくるから大変になるよー」とよく言われます。たしかにひどいときには皿を机から落としたり、ご飯をわざと床に落としたり、それでも食べさせようとすると泣きわめいて怒ったり、大変っちゃあ大変です。
でも実感としては、すべての食物を自分たちで食べさせないといけない離乳食の時期よりも(さらに離乳食は大人分と別途調理することがほとんど)、完全にほっておくことはできなくてもある程度自分で食べるようとしている今のほうが、圧倒的に食事をする時間の余裕がある気がしてます。これはどういうことなのだろうか??
まず子どもの状態を把握する
そんな伊吹くんをちょっと冷静に見てみると、彼はこの二ヶ月くらいで離乳食から大人とほとんど変わらないものを口にするようになりました。この時期は、それまで「寝る、起きる、ハイハイ、足を前に出す」といった主に身体の体幹中心の動きから、「たたく、すくう、ひねる、持つ」という手先でできる動きが目に見えて増えています。(同じように発達しているのが分かるのが舌で、食べ物をよく噛んだり、この頃から喃語(バー、ぶ~、ぱっぱ、など)のレパートリーが増えだしました。)
「できるようになる」というのは脳科学的に見ても単純で純粋な快感を生むので、だから今の伊吹くんは手先を使ってなにかする、舌を使ってなにかする、ということが面白くてたまらないはずです。
と思うと、思い当たる出来事がこの数週間で二つ。
1つ目は、お椀を両手で持って自分でお茶や汁物を飲みだしたこと。
一番最初にやったときは、できたできた!と言わんばかりに、何度も何度もその動作を繰り返してました。もちろん微調整はできてないので口元からダーダーとこぼれてましたが。。
2つ目は、口の中で舌を横に動かして「レロレロレロレロ」と音を出したこと。
ご飯を食べているときに急に言いだしたのでびっくりしましたが、このときは得意げな表情をしてました。
どちらも、いきなり。急に、できるようになり、そこからはほとんど毎日やっていき、だんだんと熱が冷めていくという感じ。ということはもう、彼は今、手先と指先の神経を張り巡らせ、微細なコントロールに日夜励んでいる、と見て間違いないはず。
大工仕事も(表情だけ)一人前にこなす伊吹くん
ご飯を散らしてしまうパターン別の原因と対策
次に、ご飯を食べるときの、主にご飯を散らかす状況を見てみます。
1 スプーンや手で取ろうとしてこぼしてしまう。
もっとも健全でなんの問題もないパターン。どんどん手を使うことでこぼす回数も量も減ってくるし、何より食べようとしているのだから、大人も怒ったりイライラすることができません。もしこのパターンで「許せない」と思えてしまうのなら、子供と言うより親自身が日頃焦っていたり、うまくできないことに対して鬱憤や劣等感を持っていたりする方向で考えてみるのが良さそうです。
2 手やスプーンでわざと食べ物を散らす
子どもなら誰もが一度はするんじゃないでしょうか。このときが一番つらい。とにかく、大人から見ると食べようとしているようには見えない、けれどごはんや器を取り上げるのは嫌がる。食べさせようとしても嫌がる。取り上げたら泣いて怒る。
3 食卓の上に乗る
散らしているわけじゃないけど、乗り出したときに袖やズボンにご飯がべったり付くので並べておきます。伊吹くんはご飯中に必ず急に食卓の上に乗りだします。最初はわからなかったけれど、ほとんど100%の確率で、それは何かを取ろうとするときでした。食べられるものならとってあげる、食べれないものなら隠すと結構ちゃんと座ってくれる。(目の前になければしばらくすると忘れます。)
2については、伊吹くんの場合は「疲れている」「眠い」ときだとつい先日わかりました。そのことを大人が分かっているだけでもお互いに落ち着いて過ごせるようになってきてます。おそらく彼にとては疲れてても眠くても、人に食べさせられたり、手先を使う面白いことをまだしていたい、という感覚があるんじゃないだろうか。まあでもこの状態に入ってしまったら、一刻も早く寝てもらうのが一番。体力がつくいてくるとご飯中まで元気でいられるようになるみたいなので、どんどん遊んでもらうのが良さそうです。
良い見本は実物の必要はない。YouTubeの活用。
最終的には、1の方向を伸ばすというのが基本戦略となるのですが(食べるのがうまくなれば疲れたり眠くてもできるようになったりするはず)、伊吹くんに効果が高かったのが「見本」と「道具」でした。
手先を使うようになる頃になると、どうやら自分と同じくらいの年齢の子どもにも関心が高まるようで(仲良くなったご近所さんに同じくらいの子どもがいて、それ以前は見た目には関わる感じではなかった。関わるというのはそういう微細で繊細なコントロールがいるのかもしれない。)、近くの幼稚園の園庭開放日にそこの園児がおとなしく自分で食べていたと聞いて、もしかして同じくらいの年齢の子が上手に食べてるのを見るのが良いのかも知れない、と思ってYouTubeで、幼児が上手にご飯を食べている動画を見せてみました。
これ、歯磨きのときにも効果があって、やっぱり食事にも効果てきめんでした。むしろ、ごはんどきや歯磨きになると、「あの動画を見せろ」とパソコンを指さして、自らスプーンや歯ブラシを持って意欲的に手先の訓練に励んでいます。
深さと返しが重要な器。
で、YouTubeで上手に食べてる子どもの動画って器が違っていて、うちの場合は子ども用の小さな茶碗とお椀、小皿を使ってたのですが、ちょっと深さのあるトレイのような、なるほどなーと思いました。たしかに、アンパンマンとかムーミンとかディズニーとか、こういうの子供用のプレートってよくあるなと。
でも、うちの場合、キャラクターものの食器をわざわざという気にもならず、ネットで探してみても、大きさや深さなど、いまいちピンとくるものが無かったので、ホーローのバットでまずは試してみました。
結果はご覧の通り |
それでもやっぱり気分がのらないとか、なんか今日は手で食べる感じとか、散らかすときもありますが、2〜5日に一回くらいです。長短はあれど、基本的には食事中ずっとじゃなくてもそれぞれが食事を食べる時間が毎回できるので、やっぱり食べるとなればつきっきり、の頃より食べることについてはゆとりが出てきてる気がします。
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