【27】どうやら「イ」音をだすことができるのが楽しい

2018年12月13日木曜日

育児日記

この記事の続き。



そういえば伊吹くんはずっとごにょごにょと何かを喋り続けている。

こちらで聞き取れるくらいはっきりと発音するものが、「キジ」、「虹」、「にいにい」、など、「イ」音を中心に増えてきたということらしい。

どれも、とくにそれを指し示す事物との結びつきはまだ曖昧で、鳥の図鑑で「キジ」と言いだしたら、 どのページのどの鳥を見ても「キジ」と言っている。

手先、口先の繊細さがましてくると言葉以外にも目に見えた変化は把握しきれないほど膨大に起こっていて、

寝たフリを真似する。
ニコニコとした顔や変な顔をしたら真似をする。
息をフーっと吹くのを真似する。
近所の子どもがボールを投げたり蹴ったりするのを真似する。

少し前からはびっくりするようなこと、姿勢や表情、口の中の動き、手足の全体を動かすような動きまでをも真似している。見たものを自分の顔や口、手足の動かし方と結びつけて、それを同じように行う、というのはちょっと考えるととても高度なことだ。

手や足が少しずつ精度をまして動かせるようになるということは、こういうところに現れてくるのだけれど、そのほとんどが真似をするという方向に使われるのが面白い。

昔狼に育てられた人がいたと言うけれど、この時期に狼に育てられると狼の真似がうまくなっていくのだろう。そして脳や神経はこの時期に作られる土台を元にして世界を眺めるように、ある一人に人間の心的な世界までをも形成していく、と言えるのではないか。