連日の敗戦を経て、いくら鈍感なぼくでももう気づき始めていた。
今の伊吹くんにブロックで現実にある何かを真似して作ったものでは勝てないのだと。
これもまた前回の敗戦直後からぼくには次の戦のイメージが膨らんでいた。
見事に初勝利を収めることに成功。
なんどか棒にブロックを取り付けるのをゆっくり見せると、まるで極上の手品を見るかのように目を輝かせていた。「ええ〜〜〜どうやったの今?なにか仕掛けがあるんでしょう?おとうちゃんは魔法使いなの??」、言葉が話せたら伊吹くんは確実にそう話していた。
20〜30分ほど、この棒にブロックを取り付けるというマジックの種を解明すべく、伊吹くんは何度もつけたり外したりを繰り返す。ときどきぼくの手も使いながら、なにか妙な仕掛けがないかを確かめている。
やがてどういうわけかブロックに棒を差し込めばくっつくことのだと、不心得ながら飲み込むと今度は取り付け練習を始め、上手くできないと苛立ちの声を上げるようになった。
ご飯を食べるとか砂で遊ぶとか、幼児はこの頃手先の神経や筋肉を動かすことで、自分が外界とどうやってつながることができるのかを知っていく。まだ不安定で危なっかしいけれど、自分より下か同じくらいの年齢の子に「触れる」ということができるようになるのもこの頃。
どうやら、人を含めた世界と関わるというのは、手先を代表とした繊細な神経によってその機微が織りなされているらしい。
今の伊吹くんにブロックで現実にある何かを真似して作ったものでは勝てないのだと。
これもまた前回の敗戦直後からぼくには次の戦のイメージが膨らんでいた。
ナニカ |
見事に初勝利を収めることに成功。
なんどか棒にブロックを取り付けるのをゆっくり見せると、まるで極上の手品を見るかのように目を輝かせていた。「ええ〜〜〜どうやったの今?なにか仕掛けがあるんでしょう?おとうちゃんは魔法使いなの??」、言葉が話せたら伊吹くんは確実にそう話していた。
20〜30分ほど、この棒にブロックを取り付けるというマジックの種を解明すべく、伊吹くんは何度もつけたり外したりを繰り返す。ときどきぼくの手も使いながら、なにか妙な仕掛けがないかを確かめている。
やがてどういうわけかブロックに棒を差し込めばくっつくことのだと、不心得ながら飲み込むと今度は取り付け練習を始め、上手くできないと苛立ちの声を上げるようになった。
ご飯を食べるとか砂で遊ぶとか、幼児はこの頃手先の神経や筋肉を動かすことで、自分が外界とどうやってつながることができるのかを知っていく。まだ不安定で危なっかしいけれど、自分より下か同じくらいの年齢の子に「触れる」ということができるようになるのもこの頃。
どうやら、人を含めた世界と関わるというのは、手先を代表とした繊細な神経によってその機微が織りなされているらしい。
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