子どもが二歳近くになると、体力も筋力も、意志も力強くなってくるので、どうしても家事をすすめたいときとか、つかれてるときなんかは、動画を見ていただき、荒ぶる力をお沈めいただいたりしています。
最初から好みがあったわけじゃなくて、手当たり次第見ていったら、伊吹の反応とか、見ていてぼくが気になるな、という選別の結果を受けて、もう伊吹に見せる動画はトーマスでいいな、と思うようになりました。といっても7,8本をぐるぐる回しているので、飽きてきたときに、違うのを見せるのも全然したりしてますが。
だれに聞かれたわけじゃないんですが、とにかくトーマス(が意外や意外に)いいよ、というお話。
【きかんしゃトーマス】
トーマスはイギリス生まれ |
「機関車に顔が付いてて、それがしゃべるって、顔もリアルで怖いし、どうなの?」というのがずっとぼくがトーマスについて持っていた印象。伊吹がいなければ絶対に見ることがなかったと断言できます。
2,3歳くらいの子どもは基本的に乗り物が好きなので、それが話したり動いたりすることに単純に喜んでいるのだと思いますが、ぼくが一番いいなと思ったのは、絶対的にいいヤツとか絶対的に悪いヤツ、がいないことでした。※1
2017年度版のものしかまだみていないけど、人それぞれいいところがあって、逆にそれが悪く作用してしまうときもあったりする、という世界観は作品の中で徹底されていています。※2
もちろん、伊吹はそこまで複雑なことを体系だっては理解していないと思いますが、こういう世界観こそが、インクが水に染み渡るように浸透していくと思っているので、どうせなら心地がいいと思える世界観のものを見せたいなという親心くらいはあったりします。
それから、都合よく展開していかないというのもポイントが高かったです。ウィキペディアで見てみると、初期の作品から鉄道考証(時代劇の時代考証の鉄道版)には力を入れていたみたいで、人形劇時代には模型の精密な作りがマニアに受けていたらしく、難しい問題がパパっと解決される、みたいなことがありません。ややこしい問題がおきたとき、それにちゃんと対応しないとどんどんややこしくなっていったり、手順をちゃんと踏んで解決していくように展開されていきます。※3
ちなみに、伊吹の反応次第ではこっちになったかも、というアニメとしてはムーミンがあります。なぜかときどき怖がって、結局一緒に見ないといけなくなることが多かったので見る頻度は今の所少な目ですが、自分が大切にしたいものを(他の人がどう思うなんてまったく気にならず)大切にする。という世界観は心地よくて、もう少し大きくなったら見るときも来るのかな、と思ってます。
※1 絶対にいいやつ、悪いやつ
たとえばアンパンマンの場合、バイキンマンという悪をアンパンチという暴力で空の彼方に飛ばすという落ちが、ぼくはどうしても気になりました。まあ、第一話の誕生シーンから悪として描かれているバイキンマンに話を聞いても「うるさいうるさいうるさーい!オレ様はとにかくお前たちが嫌がることをするのが好きなんだよーだ!」とか言いそうなので、作品自体がバイキンマン(絶対悪)によって成り立っているということなんでしょうけど、だとすると余計に、それってどうなの?と思ったりします。
実際に世界には、絶対的な悪なんてそうそう存在しないと思うんですが、悪いやつならやっつける。やっつけないといけない。アンパンチしてもいい。という世界観って、ちょっと怖いなと思います。小さな子どもが、大人を悪者に見立ててアンパンチで攻撃しているのを見ても(自分がやられたこともしばしば)、単なる遊びだと分かってはいるものの、ちょっとその構図にドキッとするときも。
反対に、いい人ばっかりで、どこか気が抜けてしまってる感じがしたのは「カルルと不思議な塔」というわりと最近の3Dのアニメ。動物の登場人物がそれぞれ仕事を持っていて、物々交換でお互いに役に立ちながら暮らしている世界観。その中でまだ仕事が決まってないけど、なんでもそつなくこなせる主人公カルルが、どんな仕事に就くのか、ストーリー的にも面白く、絵や歌も洗練されている印象。でも、おじさんやおばさんまでもが全員いい人、というか幼くて、単純な関わり方だけで話が展開していくのが、物足りないなと思ってしまいました。
反対に、いい人ばっかりで、どこか気が抜けてしまってる感じがしたのは「カルルと不思議な塔」というわりと最近の3Dのアニメ。動物の登場人物がそれぞれ仕事を持っていて、物々交換でお互いに役に立ちながら暮らしている世界観。その中でまだ仕事が決まってないけど、なんでもそつなくこなせる主人公カルルが、どんな仕事に就くのか、ストーリー的にも面白く、絵や歌も洗練されている印象。でも、おじさんやおばさんまでもが全員いい人、というか幼くて、単純な関わり方だけで話が展開していくのが、物足りないなと思ってしまいました。
※2 人(機関車)それぞれの良いところ悪いところ
たとえば、検索するとすぐに見れる「ディーゼルの反省」。乱暴者のディーゼルがデイジーのバネを壊してしまうところから始まるんですが、ディーゼルにはディーゼルの言い分があったり、反省したりする。でも、ごめんね、いいよ、だけで終わらず、デイジーもデイジーで高飛車で、ちょっと癖があったりする。そこにハーヴィーが表れて丸く収まって、とおもったら別の回ではハーヴィーはハーヴィーで、気が弱くって…と、それぞれの個性と個性の関わりの中で良さや悪さが変化しながら物語が発展していく。
※3 都合よく展開するアニメ
おしいな、と思ったアニメに「おさるのジョージ」というのがあって、雰囲気や展開は大人が見ても楽しめます。ただ、どんなにややこしいことが起きても、周りの人が気にしなかったり、逆に素晴らしいと褒めてもらえる展開になったりするのが、気になりました。気にしすぎなきもしますが、なんとなく作り手の「子どもが見るものなんだからこのくらいでいいでしょ」というのが鼻につくと言うか。まあでも面白いのは面白いので、うちではトーマスを10見るうちに1回混ぜる程度に見たりしてます。
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