【1】人の間に生まれる「ナニカ」を信じる

2018年11月1日木曜日

二年間過ごした大阪西九条の家にて(撮影は戸高源太郎さん)


 人と人の間に生まれるものって本当に面白い。

 もうすぐ出会って六年になるパートナーとの間には、数え切れないほど開催してきた催しごとや、手作りの結婚式、基礎からセルフビルドしたログハウス、そして幸運にも子どもにも恵まれた。

 もちろん「ナニカ」が全て心地よいものだとは限らない。パートナーとは数え切れないほどケンカをし、何度も「もうだめだ」とか「なんでこんなやつと一緒にいるんだ」と、どん詰まりの暗い道をさまよいました。
 
 でも、最低や最悪も含めて人と人の間に生まれるものを味わってみると、最低や最悪を取り除いてきれいなところだけ切り取られたものが味気なくって薄っぺらく思えるほど面白い。

 「上手にやろう」「効率よくやろう」「面倒なことは避けておく」という考え方は、物を扱うのには適していることが多いけれど、「ナニカ」をそうやって扱ったときには、得られる時間や価値と同じくらい、目に見えない生気が減少している。のだと思う。

 生きる気力とは、今を面白くする力。

 今を面白くする力がなくなれば、ありあまる時間や価値は退屈と退屈しのぎに使うことになる。

 ??ん?。それって何をしてるんだろう。

 
 生まれてこの方「上手にやろう」「効率よくやろう」という価値観で育ってきた僕たちには、そこから離れたモノの見方をすることはとっっても難しく、気を抜けば生気を減らす暮らし方をしている。

 まぁ、それはそれでご愛嬌。この時代に人として生まれた人情ってなもんよってなもんで、ずっこけながら、ひざ小僧をすりむきながら、やって見る中でしかわからないことっていうのがたくさんあるわけで、でも少なくともパートナーと出会う前の数年も含めてこの10年くらいをかけて形になったことならなかったものから言えることってたくさんあるし、今も「ナニカ」が起こったり起こらなかったりしていることを、ここで読んでもらったり、実際に来てもらったりしながら、あなたとぼくの間を豊かにしていけたなら、それってもうそれだけで人生面白いよね。

ということで、ここから始めます。