英語が苦手になる理由とおすすめの学び方

2019年4月16日火曜日

ことば塾

 中高合わせて6年も英語を学んでいるのに、なぜ日本人は英語が苦手なのか。話せないのか。聞けないのか。という話をよく聞く。気がする。

 僕が中学の頃からネイティブの英語話者が授業に来たり、スピーキングの時間をとったり、たぶん今はワークショップ的なものも開発されてると思うんだけど、どれも対処療法というか、なんか根本的なところに届いていない気がする。だからといって正解を知ってるわけじゃないけれど、言葉からなら根本まで考えることができそうなので、以下考えたことのメモ。

 ことば塾の紹介も兼ねた記事なので、英語が苦手な中高生やその親御さんをちょっと意識しながら。何かピンとくる所があれば幸いです。

学んでるのは言葉だということ

当たり前だけど、英語というのはたくさんの国で多くの人が日常的に話している言語です。英語が一つの言語だなんて当たり前過ぎて誰も気に留めません。特に学校で勉強するとなると、そんなこと言ってないで単語の一つでも覚えなさい、とか、教科書を進めよう、という方へ先生も生徒も親も意識がいきがちです。

 でも「言語」の問題として考えた場合、言葉を学校で勉強するという構造に問題の根っこがあると言ってしまえると思います。別に英語じゃなくてもいいですが、ある言語を正解のあるかっちりしたものとして見たり、成績によって評価されるものとして見ると、その言語にまつわるすべての体験は窮屈になります。

 日本語に置き換えて「これ間違ってないかな」と思いながら話したり、「これで正解かな」と思いながら書かなくてはならないとしたら、それは結構辛い体験です。(「作文」に多くの人が苦手意識がるのも同じ理由だと思われます。これについては別の機会に。)

 聞いたり読んだりも、日本語ですら理解できてるか心配なときも結構あるわけで、まして英語でとなると、がっつりハードルが高くなります。

人間の営みの中の英語として見ること

でも、たとえば日本語に関西弁や東北弁があるように、英語にもカルフォルニアなまりとかイギリス英語、オーストラリアンイングリッシュ、というように、話される地域によってアクセントや微妙な発音が違ったりします。

 日本語でも話が飛び飛びだったり、「文法的に間違っているよねそれ」という癖のある話し方の人がいるように、ネイティブの英語話者にも色んな話し方の人がいます。

 そしてもし直接話すとしても、明らかに片言の人に対しては、言語圏が違っても大抵の人は何が言いたいのか丁寧に聞こうとするし、話すときも伝わりやすいように簡単な言葉やジェスチャー、表情を豊かにしたりします。だってそれはテストじゃなくて、日常の中の言葉の営みなんだから。

営みとしての英語の面白さ 

そう考えると、学校で習っているのは営みとしての英語ではなくて、死んでしまった英語だと言ってしまえると思います。これは単に教科書中心に文字で学ぶということではありません。どれだけ話したり聞いたりを面白おかしく授業をしても、最終的に正しいか間違っているかに分けられて、評価されるものとしての英語は、どうしても英語自体が持っている多様性や豊かさを切り落とすしかなくなります。

 たぶん英語に魅力や面白さを感じる人は、学校ではほとんど切り落とされてしまう英語という言語が持っている豊かさや広さに触れた人なんだと思います。それは直接英語圏の人に接したり話す体験(今ならSNSやチャットも)だけではなく、手紙やメール、一つの本と出会うことでも生じえます。

 もちろん英語には、日本語と違って主語が必ず入るとか、言語の営みとして根底から違うルールがあったりします。でもそういうことも含めて、自分の生きている言葉の世界とはまったく違う世界が合って、でも話しているのは同じ人間で、同じように笑ったり泣いたり怒ったりして生きている。言語として見れば英語を習うというのは、そういうまったく別の世界との接点を学ぶことなんじゃないかと思います。

で、どうやって学んだらいいの?

考えてみたこととしては以上ですが、「じゃあ、どんなふうに英語を学んだらいいの?」というのも、学生や先生、親にとっては切実な問いとしてあるように思います。
 
 ぼくとしては、英語を学び始めるときが大切だと思っていて、その国で生まれた人がその国の言葉を吸収するのに近い形で、基本的なことを知っていけたらいいんじゃないかなと思っています。基本的というのは、学校のテストで点を取るためにすることと、営みとしての英語は別のものだということが分かるくらい。
 
 直接人と会うの体験はないよりはあったほうがほうがいいですが、無理にすることではないと思っていて、そういう世界もあるんだな、というのを知れれば良いかと。そうなれば学校で教えてくれる正しい英語は、窮屈なものじゃなく、別の世界を詳しく知るいい機会になるんじゃないかと思います。

中学に入るまでは、親が気にいったり興味のある英語のアニメや歌をたまに聞くとか、そんな程度でもいいんじゃないかと思います。あまりおすすめしないのは、学校で良い点を取るための準備を早々に始めること。

 注目しているのはフォニックスで、結構導入されてる教科書や学校もあるみたいです。調べてみると、英語圏の子どもも、文字をどう発音するのかは、フォニックスソングを聞いたりしながら覚えるみたいで、NHK教育テレビみたいなので見るのかな。
 学校で英語を学ぶ前に聞いてなれておくと、最初の単語を覚えて書く、みたいなのはかなり楽にできるんじゃないでしょうか。僕自身これを知って、中学の自分に教えてあげたいと思いました。

 フォニックスソング
 

 検索すると、色んな種類があるのでお好みのをどうぞ。こちらは息子(一歳半)に試しに聞かせてみたらなぜかめっちゃ笑ってました。音が面白いのかな。


 中学から高校は、僕自身は、英語の歌詞を自分で調べたりするのが、英語を好きになるきっかけでした。今なら、たとえば英語と日本語の本質的な違いなんかも、しれたら良かったなと思います。

 参考にこんな本も。学校で教えられているのは英語の文法を無理やり日本語に当てはめているので無理がある、という見解はぼくとしては納得感があります。

 

 こんなことを一緒に面白がりながら、話したり、知っていけたら、と思っています。